フリーランスエンジニアとして活動していると、セキュリティスキルの重要性を日々実感する場面が増えてきているのではないでしょうか? 特に大手企業や官公庁系のプロジェクトに参画する場合、セキュリティ知識が求められるケースも多く、専門性を証明する手段として資格取得を検討する方も増えています。
その中で注目されるのが、CISSP(Certified Information Systems Security Professional)です。 この記事では、CISSPの試験概要から必要なスキル、取得することで得られるメリット・デメリットまでを、フリーランスエンジニア目線で詳しく解説していきます。
目次
1. CISSPとは 特徴: 2. CISSP試験の概要 3. 出題範囲と難易度 4. 受験の流れと要件 認定に必要な条件: 準会員制度(Associate of ISC2)について 5. 勉強時間の目安と対策法 推奨学習時間: 学習方法: 6. メリット:スキル証明とキャリアアップ (1) グローバルスタンダードな信頼性 (2) 高単価案件へのチャンス (3) 独立後の営業・ブランディングに貢献 (4) 自己研鑽のフレームワークとして機能する 7. デメリット:コストと難易度の高さ (1) 学習負荷の大きさ (2) 高額な費用 (3) 合格後も継続的な努力が求められる (4) 他の資格とのバランス 8. おすすめ教材と学習方法 9. CISSPはフリーランスに必要か? 向いている人: 向いていない人: 10. まとめ 〈フリーランスエンジニア案件はmijicaへ〉CISSPは、ISC2(International Information System Security Certification Consortium)が提供する国際的なセキュリティ資格です。 世界的に認知度が高く、セキュリティ専門職のキャリアパスにおけるスタンダードとされています。
CISSPは単なるIT技術者向けの資格ではなく、企業のセキュリティポリシー設計やガバナンス、リスクマネジメントにまで及ぶ「セキュリティの総合職」的な知識を求められます。
情報セキュリティ全体を俯瞰する知識体系
マネジメントと技術の両面に強い
法律、ガバナンス、リスク、エンジニアリングなどを横断的に学べる
実務経験が求められることから、資格の保有者には一定の信頼性が担保され、顧客からの信用や単価交渉においても有利になります。
CISSP試験は、日本でもピアソンVUEテストセンターを通じて受験可能です。受験形式はCAT(Computer Adaptive Testing)方式が導入されており、受験者の解答に応じて問題の難易度が変化していく形式です。
項目 |
内容 |
---|---|
試験名 |
CISSP |
実施団体 |
ISC2 |
試験方式 |
CBT(Computer Based Testing) |
試験時間 |
最大6時間(CAT方式:2.5〜3時間) |
出題数 |
100〜150問(CAT形式)または250問(固定形式) |
合格基準 |
700/1000点以上 |
受験料 |
約749 USD(約11万円以上) |
試験会場 |
ピアソンVUE(全国主要都市) |
※受験時の言語は英語が基本となります。日本語対応は限定的なため、英語にある程度慣れておくことが重要です。
CISSPでは、以下の8ドメイン(ISC2 CBK)から幅広く出題されます。
セキュリティとリスクマネジメント
資産のセキュリティ
セキュリティアーキテクチャとエンジニアリング
通信とネットワークのセキュリティ
アイデンティティおよびアクセス管理
セキュリティの評価とテスト
セキュリティの運用
ソフトウェア開発セキュリティ
各ドメインはそれぞれが独立しており、セキュリティガバナンスの考え方から暗号化技術、アクセス制御の仕組み、災害対策(BCP/DRP)や脆弱性評価など多岐にわたる内容を学ぶ必要があります。
試験対策としては、単なる暗記ではなく、実務に即した理解が求められるため、ケーススタディやシナリオ形式の問題も多く出題されます。
CISSP試験に合格する(700点以上)
2つ以上のドメインに関する5年以上の実務経験(大学卒業などにより1年免除可)
推薦者(CISSP保持者)からの推薦
ISC2の倫理規約に同意する
年会費(125 USD)を支払う
3年間で120CPEクレジット取得
経験年数が足りない場合でも、試験合格後に「準会員」として登録可能です。最大6年間の猶予があり、その間に実務経験を積み、正式なCISSPとしての登録が可能です。
実務経験があるセキュリティエンジニア:200〜300時間
経験が浅いエンジニアや未経験者:400時間以上
公式ガイド(CBK)を通じて知識の体系化
問題集を繰り返して実践力を強化
動画教材(UdemyやYouTube)で理解を深める
PIEDPINなどの日本語サポートサイトを活用
長期的にモチベーションを維持するには、学習スケジュールをあらかじめ立て、習慣化させることが重要です。SNSや勉強会に参加して同じ目標を持つ仲間とつながるのも有効です。
CISSPは世界で認められている情報セキュリティの資格であり、その信頼性は非常に高いです。多国籍企業や外資系のプロジェクトにおいては、CISSPの保有が応募条件となっているケースもあります。
特にISO27001などの情報セキュリティ標準に関する業務を扱う場合、CISSPを取得していることで体系的な知識を備えていると認識され、クライアントからの信頼度が一段と増します。
SESやフリーランスエージェント経由で参画できる案件の中には、「CISSP保有者限定」「セキュリティ資格保有者優遇」といった案件も増えてきています。これにより、他のエンジニアと差別化が可能になり、結果的に単価交渉の材料になります。
単価だけでなく、役職(リーダー、CISO補佐など)や上流工程に関与する機会も増えるため、技術者としての成長だけでなくキャリアの幅を広げることができます。
フリーランスとして活動する上では、「自分が何に強みを持っているか」を明確に示すことが重要です。CISSPという知名度の高い資格があることで、営業活動の信頼感や提案資料の説得力が格段に上がります。
たとえばセキュリティ監査や脆弱性診断、クラウドセキュリティの導入支援といった専門性の高い案件を提案できるようになります。
CISSPは試験合格後もCPE(継続教育単位)の取得が求められるため、最新のセキュリティ動向や技術に常に触れる機会が生まれます。これはフリーランスとして「知識が古くなるリスク」を低減し、長期的に市場価値を維持する上で大きなメリットです。
CISSPは出題範囲が広く、技術だけでなく法律やリスクマネジメント、経営寄りの知識も求められます。すべてを網羅するには200〜400時間以上の学習時間が必要とされ、働きながらの学習には相応の覚悟が必要です。
さらに、英語での受験になるため、セキュリティ用語や表現に慣れる必要があります。日本語訳の資料もありますが、実際の試験では英語力が合否を左右するケースもあります。
受験料が749ドル、さらに年会費が125ドルと、金銭的負担は決して軽くありません。円安が進行している現在では、さらに負担が増える可能性があります。
また、学習用の書籍や模擬試験も基本的に英語版が中心で、翻訳されている日本語書籍は限られています。そのため、日本語教材に頼るだけでは不十分で、複数の教材購入が必要になることもあります。
資格取得がゴールではなく、その後も毎年の年会費支払いや3年で120CPEクレジットを獲得する必要があります。これにはセミナー参加、ウェビナー受講、ホワイトペーパーの執筆などが含まれ、実務に加えて学び続ける姿勢が求められます。
この「維持コスト」は金銭だけでなく時間的・精神的にも負担となるため、CISSPを取得する前にその覚悟があるかどうかを確認しておくことが重要です。
セキュリティ資格は他にも、CompTIA Security+、情報処理安全確保支援士、AWS Certified Securityなど複数存在します。CISSPが最もハイレベルな資格の1つであるとはいえ、業務内容によっては別の資格の方が実務に直結するケースもあります。
そのため、自分がどんな業務に関わりたいかを明確にした上で、最初にCISSPを目指すか、段階的にスキルを積むかの判断が求められます。
教材 |
特徴 |
CISSP公式問題集 |
実戦的な内容で合格者も多数活用 |
新版 CISSP CBK 公式ガイド |
CBKドメインを完全網羅。全体像の理解に最適 |
PIEDPIN(非公式) |
日本語での説明や動画、模試などが豊富 |
Udemy講座 |
英語だが安価でわかりやすい解説が多い |
できれば複数の教材を組み合わせ、知識の定着を図ると効果的です。疑問点があればSNSやRedditの学習スレで質問するのもおすすめです。
セキュリティを専門領域としたい方
官公庁や大企業系プロジェクトに参画したい方
長期視点で信頼・単価アップを目指す方
海外案件や外資系企業に関心がある方
スピード感ある実績作りを優先したい方
インフラ・アプリ開発を中心としたい方
学習時間の確保が難しい方
CISSPは“短期勝負の資格”ではありません。中〜長期で「プロフェッショナル」としての信頼を積み上げたい方向けの資格です。
CISSPは、セキュリティ分野における世界標準の資格であり、フリーランスエンジニアにとっても非常に価値ある資格です。
取得には多くの労力・費用がかかりますが、得られるリターンも大きいのが特徴です。今後、セキュリティの重要性がさらに高まっていく中で、CISSP保持者の価値も一層上がっていくでしょう。
セキュリティエンジニアとしての将来に真剣に向き合いたい方は、ぜひCISSPの取得を検討してみてください。
あなたの技術力と信頼を可視化し、フリーランスとしての市場価値を高める大きな武器になるはずです。
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