情報セキュリティマネジメント試験の合格法と活かし方|フリーランスが武器にする資格とは?|mijicaフリーランス

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情報セキュリティマネジメント試験の合格法と活かし方|フリーランスが武器にする資格とは?

公開日:2025/07/06最終更新日:2025/07/07

情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験であり、情報セキュリティの基本的な知識とスキルを評価するものです。近年、サイバー攻撃や個人情報流出などのリスクが増す中で、情報セキュリティの知識はエンジニアとしての武器になります。

本記事では、試験の概要、出題範囲、合格率、難易度、受験のメリット・デメリット、さらには合格のためのおすすめ参考書や勉強方法について、フリーランスエンジニア向け に詳しく解説します。

1. 情報セキュリティマネジメント試験とは

情報セキュリティマネジメント試験は、平成28年に創設された情報処理技術者試験の一種であり、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格です。この試験は、情報セキュリティ対策を正しく理解し、企業や組織の中で情報資産を適切に管理・運用できる人材の育成を目的としています。

情報セキュリティ分野の専門知識だけでなく、業務におけるセキュリティポリシーの策定、リスクアセスメントの実施、外部委託先の管理など、実務にも通じたスキルが問われる試験です。IT系に限らず、金融・医療・行政などセキュリティ意識が求められる業界での評価も高まっています。

基本情報技術者試験との違い

基本情報技術者試験(FE)は、よりプログラミングやアルゴリズム、コンピュータアーキテクチャに重きを置いた技術者向けの試験であるのに対し、情報セキュリティマネジメント試験は「情報の守り方」にフォーカスした内容が特徴です。

FEはエンジニアとしての開発・設計能力の基礎を問うのに対し、SGはセキュリティマネジメントの基礎を問うため、IT部門以外の人や、セキュリティ責任者、社内の情報管理者にも適しています。

2. 試験詳細

試験形式と概要

情報セキュリティマネジメント試験は、CBT(Computer Based Testing)方式で実施され、年に複数回の受験チャンスがあります。出題は「科目A」と「科目B」の2つで構成されており、それぞれ選択式問題で実施されます。

  • 試験時間:各科目 120分(合計240分)

  • 出題形式:多肢選択式(四肢択一)

  • 出題数:各科目60問程度

  • 合格基準:各科目1,000点満点中600点以上

  • 受験資格:制限なし(誰でも受験可能)

  • 受験料:7,500円(税込)

試験日と申込方法

試験日は随時設定されており、全国のCBT会場で受験が可能です。申し込みはIPA公式サイト経由で行い、専用の申込システムから日程と会場を選んで決済します。キャンセルは不可なので、日程選定は慎重に行いましょう。

3. 出題範囲

【科目A】知識問題(座学)

  • 情報セキュリティ全般 :情報のCIA(機密性、完全性、可用性)や、脅威・脆弱性、サイバー攻撃(フィッシング、DDoS、ゼロデイ攻撃など)に関する基礎知識。

  • 情報セキュリティ管理 :ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)、リスク評価、ポリシー策定、CSIRTの仕組みや運用。

  • 情報セキュリティ対策 :アクセス制御、パスワード管理、暗号化技術、ウイルス対策、不正アクセス検知・防止。

  • 関連法規 :個人情報保護法、不正アクセス禁止法、サイバーセキュリティ基本法など。

  • 周辺IT知識 :ネットワーク、クラウド、システム構成、データベースの基本概念など。

【科目B】実務応用問題

  • セキュリティ方針の策定と計画 :情報資産の洗い出し、分類、管理台帳作成。

  • リスク評価と対応 :脅威分析、リスクマトリクス、対応策の選定と評価。

  • 委託先管理 :業務委託時のセキュリティ確保、契約・監査項目。

  • インシデント対応 :検知、初動対応、原因分析、再発防止策の策定。

  • 教育・啓発 :セキュリティ研修、社員向け周知活動の計画・実施。

  • 改善とレビュー :PDCAサイクルに基づいた継続的なセキュリティ強化。

4. 合格率・受験者層

過去5年間の平均合格率は約60%と、情報処理技術者試験の中では比較的高めです。特に令和5年度は過去最高の合格率(72.6%)を記録し、受験しやすい環境が整いつつあります。

年度

受験者数

合格者数

合格率

令和5年度

36,362人

26,398人

72.6%

令和4年度

28,551人

16,051人

56.2%

平均

-

-

約59.6%

受験者の9割以上が社会人であり、職種も多岐にわたります。情報システム部門、経営企画、監査部門など、業界・業種を問わず幅広く支持されています。

5. 資格取得のメリット

セキュリティ知識の体系的な習得

情報セキュリティマネジメント試験の最大の魅力の一つは、情報セキュリティに関する知識を体系的に学べることです。独学では得にくいセキュリティマネジメントの基礎や、国内の関連法規(個人情報保護法・サイバーセキュリティ基本法など)をしっかりカバーできます。ITエンジニアにとって、開発スキルだけでなくセキュリティ意識の高さは顧客からの信頼にも直結する重要な資質です。

また、業務委託やクラウド活用など、複雑化する現代のシステム構築環境においては、セキュリティ管理の視点を持つエンジニアが重宝されます。資格を通じてその土台が築けるのは大きな利点です。

キャリアアップ・案件獲得で有利

近年はセキュリティ要件が明示された案件が増加しており、「セキュリティに強いエンジニア」を名乗れることは大きな差別化ポイントです。実際に、情報セキュリティマネジメント試験を取得していることで、顧客からの信頼が高まり、要件定義や設計フェーズから任されるケースもあります。

特に、情報システム部門や官公庁系案件では、資格保有者が条件となる場合もあり、営業的な面でも有利に働きます。フリーランスにとっては「提案力」や「安心感の提供」は単価交渉にも直結します。

資格手当・報奨金対象

企業によっては資格取得者に対し、報奨金(例:4〜5万円)や月額手当(5,000〜10,000円)を支給する制度があります。副業やフリーランス契約でも、スキル証明としてレジュメに記載すれば、クライアント側の「資格保持者との契約を優遇する方針」に該当することも。

上位資格への登竜門

SG試験は情報処理技術者試験におけるレベル2に位置づけられ、上位資格である応用情報技術者試験(レベル3)や情報処理安全確保支援士(レベル4)の入り口となります。これらの資格取得に向けた基礎づくりとしても最適です。

6. 資格取得のデメリット

学習時間とコストの確保が必要

資格取得には一定の時間と金銭的投資が必要です。目安となる学習時間は約200時間。働きながら学ぶフリーランスにとっては、計画的に時間を確保する必要があります。加えて、参考書や模擬試験、受験料などを合計すると1〜1.5万円程度の費用がかかることが一般的です。

実務経験が伴わないと効果が薄い

資格を持っていても、実際にセキュリティインシデント対応やリスクマネジメントを行った経験がなければ、実務に活かしきれない可能性もあります。したがって、資格取得後は、実際の業務やプロジェクトの中で経験を積む意識が重要です。

評価されにくい職場・業界もある

特に外資系企業やグローバルな現場では、CISSP、CompTIA Security+など国際資格の方が評価されるケースがあります。SGは日本国内での信頼性は高いですが、海外案件や外資クライアントを相手にする場合は補足的な資格と位置づけられます。

7. おすすめの参考書・問題集

情報処理教科書 出るとこだけ!情報セキュリティマネジメント(2024年版)

  • 初心者にやさしい構成で、各章ごとに「覚えるべきポイント」が明確。

  • 赤シート付きで、重要ワードを効率よく暗記可能。

  • ダウンロード可能な過去問解説付きで、理解が深まる。

  • 学習時間が限られているフリーランスにとって、時短学習が可能な一冊。

パーフェクトラーニング過去問題集(令和6年版)

  • 実践的な問題が豊富で、出題傾向に慣れるのに最適。

  • PDF形式で過去11回分の問題+予想問題を収録。

  • ジャンル別問題演習により、苦手分野の集中対策が可能。

  • 付属の動画解説は通勤・移動中などにも活用でき、学習のハードルを下げてくれます。

情報セキュリティマネジメント試験 過去問道場(無料Web問題集)

  • 無料で過去問演習ができ、スマホ対応のためスキマ時間を活用しやすい。

  • ランダム出題、ジャンル選択など柔軟な演習形式。

  • 解説も丁寧で、単なる答え合わせにとどまらず、知識の定着に効果的。

8. フリーランスエンジニアにとっての価値

フリーランスは「実力」が評価される世界ですが、初対面のクライアントや企業にとってはスキルを判断する材料が限られています。そのため、資格という“見える実績”を持っておくことで、提案の信頼性や受注率が格段に向上します。

特に、情報セキュリティマネジメント試験を取得していれば、以下のような場面で強いアピールになります:

  • 顧客の情報を取り扱う案件(ECサイト、医療、金融系など)

  • 情報管理ルールの策定支援や監査対応が含まれるプロジェクト

  • チームメンバーの教育や啓発を任される立場

また、資格取得を通じて得た知識は、契約書のセキュリティ条項確認や、個人としてのセキュリティポリシー作成にも活用でき、独立したプロフェッショナルとしての自覚と安心感を育てる材料になります。

9. まとめ

情報セキュリティマネジメント試験は、フリーランスエンジニアが「セキュリティに強い」と信頼される存在になるための第一歩となる国家資格です。試験そのものの難易度は中程度で、200時間前後の学習で十分に合格が狙えます。

知識だけでなく、顧客対応や提案力、そして単価交渉の武器としても価値が高いこの試験は、自己投資として非常にコスパの高い選択肢と言えるでしょう。

「資格は意味がない」と思われがちなフリーランス業界でも、“クライアントの安心感”という観点では、資格取得が明確な武器になります。ぜひ情報収集からでも始め、合格を目指してみてください。

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