源泉徴収制度は、給与や報酬の支払い時に所得税を差し引いて国に納付する仕組みです。この記事ではその概要から具体的な対象、計算方法、納付手続き、源泉徴収票の読み解き方、フリーランスが注意すべき点、よくある質問まで、初心者にもわかりやすく7つの項目に分けて解説します。
目次
1. 源泉徴収制度の基本とは? 2. 源泉徴収の対象となる所得の種類と対象者 3. 報酬に対する源泉徴収税の計算方法(フリーランス向け) 【基本の計算式】 ✅ 例:税込報酬110,000円のケース 4. 給与・賞与・退職金の源泉徴収計算の違い ● 給与の場合 ● 賞与の場合 ● 退職金の場合 5. 源泉徴収票の見方と確認すべきポイント よくある質問 6. フリーランスが注意すべき源泉徴収の3つのポイント ① 消費税の記載方法で税額が変わる ② 源泉徴収されても確定申告は必須 ③ 住民税や事業税は別で納税する必要あり 7. まとめ|源泉徴収を正しく理解し、損を防ごう 〈フリーランスエンジニア案件はmijicaへ〉源泉徴収とは、事業者が給与や報酬を支払う際に所得税をあらかじめ差し引き、国に納める制度です。これにより、納税者が個別に確定申告をしなくても、あらかじめ税金が徴収される仕組みとなっています。
例えば、あなたが企業に勤めていて月給30万円を受け取る場合、手取りはそこから所得税や社会保険料が引かれた金額になります。差し引かれた所得税は、会社が翌月10日までに税務署へ納めます。この仕組みが源泉徴収です。
源泉徴収を行う義務があるのは、企業や官公庁、個人事業主を含む「源泉徴収義務者」に該当する人たちです。ただし、家事使用人2人以下を雇う個人など、一部例外もあります。
源泉徴収の対象は、給与・賞与だけにとどまりません。以下のような幅広い支払いが対象になります:
給与・賞与(会社員やパート・アルバイト含む)
退職金
報酬(弁護士・税理士・ライター・講演料など)
原稿料・デザイン料・撮影料などの業務委託費
利子・配当金
給与については、月額88,000円を超える場合に源泉徴収が発生するケースが一般的です。また「扶養控除等申告書」の提出有無で税額が変わるため、事前提出が重要です。
個人事業主やフリーランスも、報酬を受け取る際に源泉徴収の対象になることがあります。特に原稿料やデザイン料などの「報酬」系は要注意です。
フリーランスが受け取る報酬のうち、源泉徴収の対象となる支払いについては、税率10.21%で源泉徴収されます。
報酬(税抜)× 10.21% = 源泉徴収税額
ただし、請求書の中で「報酬額」と「消費税額」を分けて記載している場合、源泉徴収の対象は“税抜価格”のみとなります。一方で、報酬と消費税がまとめて記載されている場合、税込金額全体に10.21%がかかるため注意が必要です。
消費税を分けて記載 → 100,000 × 10.21% = 10,210円(源泉徴収)
消費税を分けていない → 110,000 × 10.21% = 11,231円(源泉徴収)
このように記載方法次第で手取りが1,000円以上変わることもあるため、請求書の作成には十分な注意が必要です。
給与や賞与、退職金などの支払いについても、それぞれ異なる方法で源泉徴収税を計算します。
給与所得者に対しては、「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき税額が決まります。ポイントは以下の通り:
毎月の支払額、扶養人数、控除申告書の有無で税額が変動
「甲欄」(申告書あり)と「乙欄」(申告書なし)で税率が異なる
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率表」を用いて、賞与額に応じた税率を掛けて源泉徴収税を計算します。給与とは別枠で税率が設定されている点に注意が必要です。
退職金の源泉徴収には「退職所得控除」が適用されます。課税対象金額は以下の式で求めます:
(退職金 - 退職所得控除)× 1/2 = 課税退職所得
その後、「退職所得の税率表」に基づいて税額を算出。退職金は一時的に大きな金額になるため、計算ミスがあると税務署からの指摘が入るケースもあるので注意しましょう。
源泉徴収票は、年末調整や確定申告の際に必要不可欠な書類です。以下の項目は特に注意して確認しましょう。
「支払金額」:1年間の給与・賞与などの総額
「給与所得控除後の金額」:課税対象になる金額
「所得控除の額の合計」:社会保険料、扶養控除など
「源泉徴収税額」:実際に徴収された所得税額
Q:副業でも源泉徴収票が必要? → はい、副業先が給与として支払っている場合は源泉徴収票が発行されます。確定申告の際に必要です。
Q:退職後にも源泉徴収票はもらえる? → はい。退職後1ヶ月以内を目安に、勤務先から発行される義務があります。
前述の通り、請求書に「消費税」と「報酬額」を明確に分けて記載することで、源泉徴収の対象が税抜金額のみに限定されます。逆にまとめて記載すると、税込額に税率がかかり手取りが減少します。
源泉徴収された税額は「仮の納税額」にすぎません。1年間の全収入と経費をもとに、正しい税額を確定申告で算出する必要があります。過剰に徴収されている場合には還付が受けられます。
源泉徴収されるのは「所得税および復興特別所得税」のみです。住民税や個人事業税は対象外であり、確定申告後に別途通知が届きます。資金繰りを考えるうえで、これらの支払いも見越しておく必要があります。
源泉徴収制度は一見すると「事業者向けの制度」に見えるかもしれませんが、フリーランスにとっても身近で重要な制度です。報酬の受け取り方、請求書の記載方法、確定申告の準備など、日常の業務に密接に関わります。
制度の基本を押さえておくことで、税務ミスによるペナルティや手取りの損失を防ぎ、安定した事業運営が可能になります。この記事を参考に、今一度、自身の請求書や納税手続きを見直してみましょう。
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